「この3年間、韓国の経済成長率は世界平均にも届かなかった」週間朝鮮9月11日号
前回のエントリは、他者攻撃をし過ぎた感じがある。かっとなってやった。今は反省している。
さて更新をさぼってたので、その間に読んだものとかいろいろ書いていこうと思っていてですね。その1。
韓国は不景気の真っ最中なので、特に経済系では暗いニュースが多いです。しかしこういうニュースも、客観性のあんまないものが多く、きれいに政治的色分けに沿って報道される。保守系メディアは(この週刊誌もそう)、結局の所「盧武鉉がダメだ」と言いたいだけで、文句のネタに経済問題を使っているだけの場合が多い。
そういうのは割とどうでもいいんですが……なんか普通に人と話してても、「先進国にならないといけない」みたいな話がすごく多いんですね。まだ韓国は先進国じゃないという。
この記事は韓国の構造的不況が長期化していて云々というものなのですが、「専門家たちは、韓国が『中進国病』にかかっているのが根本原因と見ている」と。
-ソ・ウンデ・ソウル大教授教授:「投資心理と消費心理の萎縮、自分の分け前のみ求める利益集団の欲求噴出、諸経済主体の間の葛藤など、所得1万ドル水準に至った時の中進国病が韓国に現れている」
-「中進国のジレンマは、国内的要因だけでなく、国際的な要因が同時に作用して発生する。中進国は先進国と後進国から同時に挟撃される位置におり、賢明に対処すれば先進国へ上ることになるが、そうでなければ後進国へまた転落する」
-他の東アジア諸国より成長率が鈍化していることを挙げて:「これは、『朴正熙式成長モデル』で40余年間やってきたが、今ではそれが限界に来たことの証拠だ。新しいモデルがが切実に求められる時期だ」
-イ・ジェミン延世大教授:「この40余年間、韓国経済は4回の契機があったが、3回目では新しい成長動力を見つけて高度成長につながった。しかし最後にやってきたIMF外貨危機は、いまだ新しい成長動力を見つけることができず、低成長と両極化構造が固着化されているようだ」
-「専門家たちは、過去の韓国経済の長所だった活力を取り戻すためには、諸経済主体にリスク(危機)を甘受させるべく、関連制度を整備する必要があると主張する。しかし現代韓国社会は、敗北主義に陥っているという分析が支配的だ」
-チャン・ジェチョル・サムソン経済研究所主席研究員:「外貨危機に遭った後の韓国社会では、『高リスク-高収益』モデルがタブーとされており」「さらに大きな夢を追求しようとするならば、冒険精神を取り戻さなければならない」
後、勤労者の労働意欲も低下している云々。そんで最後は、盧武鉉大統領の分配重視政策を批判して、分配と成長のバランスを考えろと。
こちらでは盧武鉉現政権(左派)に対し、保守派が「企業規制を緩めろ」と主張する光景がしばしば見られる。成果主義とかいうのも、保守派が推奨して、左派は反対と、結構はっきりしている。保守派が過去の総中間層社会にシンパシーを抱いている日本と、ちょっとイメージが違う。
でも、上の記事にもある「成長の原動力」というのが、結局サムソンを初めとする財閥企業しかないから、「企業規制を緩めろ」というのは、結局「財閥支配の弊害とか言ってても仕方なくて、それが韓国式の経済システムなんだからそこをどんどん伸ばさないと」というメッセージと紙一重(この記事は割と違うこと言ってるんだけど)。なので実は日本とやっぱり似ている。
日本と一番違う点は、韓国では労組が強いこと。
私から見てもしょうもないデモをして「成果給として約束したものは全員に払え」とか、訳の分からん要求をしている。ついでに、「労組のせいで使えない年長社員が解雇されないから、おれたちには契約社員の口しかない」みたいな不満も、結構広がっている。
反労組というのも保守派の昔からの主張の一つなんだけど、今は社会全体がそこに同調していっている感じ。それ自体は、はっきり言ってしょうがないと思う。労組とそれに共感する左派は、保守派の主張にドライブを提供するようなことばっかり言ったりやったりしてるから。
日本でも類似のことはあると思うけど、姜尚中の言う「ニューエコノミーと旧体制の野合」というのは、韓国ではかなりあからさまに、目に見えるものになっている。
そういう状況の中だと、旧体制に含まれていた「身分差別」みたいの――「正社員/非正社員」区別とか――に対する、「それはしょうがない」という開き直りの態度を育むと同時に、ニューエコノミー的な「無限競争」とか「自己責任」とかいう原理が、「保護される身分に何とかすべり込もう」という欲求と、ねじれて結合することになる。たぶんその二つは、本来は対照項のはずだと思うんだけど。
いずれにせよ、「保護される身分」のパイはどんどん少なくなっていくから、かなりの人は志願しても入れないのが目に見えてるんだけどね……という、その点は本当に日本と同じことが、こっちでも起きてるなあという気がすごくする。また追い追いに。
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