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2008年4月23日 (水)

「思想地図」が出ました&誤植の訂正

東浩紀さん・北田暁大さん編集の新しい雑誌「思想地図」が出ました。
創刊号で、錚々たる面々の中に不釣合いな私がいます。

ところが……現物を見ましたら、校正の際に手違いがあったようで、私の意図とまったく異なる文面になっている部分がございます。この場に私の原文を載せて、訂正させて頂きます。

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(102頁:第二パラグラフから)
 『88万ウォン世代』という本が2007年の下半期に大きく話題になった。若者の多くが低賃金労働に就かざるを得なくなっていることを告発するという、日本のワーキングプア論とよく似たモティーフを、韓国で初めて明示的に提示した本である(ウ&パク,2007)。この本の中では、独裁政権下のいわゆる「国家コーポラティズム体制」を生きた世代とまったく並列に、政治運動に熱中して現在の試験地獄とは対称的な学生生活を送り、卒業後は市民運動団体などに居場所を見つけ、一定の知的ヘゲモニーを握ることのできた386世代を、すでに「既得権益者」であるとしている。またこの著者たちは、金大中から盧武鉉にいたる進歩的な政権を、(財閥支配に対する労働者の味方などではまったくなく)雇用の不安定化をもたらした「新自由主義」政権であると明確に位置づけた。やや極論のきらいがあるものの、こうした批判は、民主化勢力の理念が持っていた知的な「正統性」の喪失と、その先の展望のなさを暗示した本と言える。
 盧武鉉政権を新自由主義と解釈した、より学術的な議論として、著名な政治学者であるチェ・ジャンジプ(崔章集)は、(市民運動の強い韓国社会の特性を鑑みて)直接的な市民参加を増大させることよりも、議会制民主主義の制度の上で利害対立を調整する必要を主張してきたが、盧武鉉政権の誕生と政権運営はそうした努力と無縁だったのであり、結果的に新自由主義とポピュリズムに親近性を持ってしまったと総括している。チェは金大中政権のブレーンだった人物であり、先述したキム&パクの議論は、その当時こうしたチェの「手続き的民主主義」を重視する姿勢を批判したものだった。盧の任期末に行なわれたこの発言は大きな論争を巻き起こしたが、左派の内部でも、支持下落に伴い、過去のラディカリズムに収まらない様々な議論が活発化していることを示すものだろう。
 その一方で、盧武鉉は労組に親和的で……

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